『地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団』を読みました。
他人の土地を自分のもののように偽って第三者に売り渡す詐欺師。大辞林はそう解説する。それが地面師である。
地面師は戦後の混乱の中、暗躍したそうですが、最近この言葉がまた広く知られるようになったのは、2017年の「積水ハウス」事件に関してでしょう。大手ハウスメーカーの積水ハウスが土地取引で63億円をニセの地主に支払って55億円5千万円をだまし取られた事件です。
地面師集団では、地面師だけでなく、なりすまし役やなりすまし役のスカウトなど役割分担があり、グループ全員を起訴できるケースはほとんどない。多くのケースで捜査が難航し、立件にいたらず、逮捕されても不起訴処分に終わっている人も多く、黒幕が罪に問われることもめったにないとのこと。そんな人たちに狙われたら怖いですね。
弁護士や司法書士が取引の場にいたら安心してしまいますが、稼げていない弁護士や司法書士が詐欺に加担することもあるようです。
そうなると私も騙されない!という自信がありません。ただ、ニセの身分証明書の生年月日を間違えたり、なりすまし役が間違ったことを言ったり、詐欺師グループでボロを出すことがあるようなので、自分でも注意しておくことが大切かと思いました。
また決済の場所などが直前に変えられたりしたら、気を引き締めて「どうしてだろう?」と考えた方がいいかもしれません。
狙われる土地の所有者は、亡くなったり、高齢で入院したり、相続人が不動産に興味がなかったりというような人のようです。土地の所有者は、地面師のような詐欺師に十分に注意して、付け入る隙がないようにしておかないといけません。
不動産投資家としては、子どもなどに相続をするとしたら、不動産賃貸業についてきちんとおしえておくことが必要かと思います。興味がないとか、お金にありがたみを感じていない相続人であれば、相続させるのを考えないといけないかもしれません。お金を持っていて守れないような人であれば、狙われて、ひどい場合は殺されてしまうかもしれません。周りの人たちを見ていても、簡単に手に入ったお金は簡単に使ってしまい、それでしあわせを感じることができればまだいいのですが、虚しさなどを感じている人たちもいるからです。