ETVの番組『パンデミックが変える世界』

こんにちは! 星野陽子です(自己紹介)。

ETV(NHKのオン・デマンド)ドキュメンタリー番組
緊急対談 パンデミックが変える世界 ~海外の知性が語る展望~
を観ました。

とても興味深い話なのに、途中、荷物が届いたりして2回も離席しているのですが、簡単な自分用のメモをシェアします(正確に捉えられていないところがあったらごめんなさい)。

イアン・ブレマー
米国の国際政治学者

2012年に出版された「Gゼロ」後の世界―主導国なき時代の勝者はだれかでGゼロ世界(世界でリーダーシップを取れる政治家が不在で、各国が自国が一番という世界)のリスクを指摘していた。

そのGゼロ世界でパンデミックが起きている今は、第二次世界大戦以降で最も深刻な危機的状況。

アメリカが指導力を発揮していない。ヨーロッパとの協調もない。世界各国がばらばらに危機を克服しようとしている。

9.11(同時多発テロ)や2008年の金融危機ときは協調した。日本、アメリカ、ヨーロッパなどの豊かな国は苦しいときはあるにしても乗り越えられる。IMFの幹部は4兆ドルが必要と考えているがそんなお金はないと思う。新興国と途上国では国民を十分に助けるお金がない。医療制度が不備な状況で不況になると深刻な社会不安、暴力、過激化などが起こる。

2020のトップリスクは アメリカと中国との対立。ヨーロッパは分断。地球規模の危機。みんな自分のことを考える。格差が広がる。

こんなときには、犬を飼ったり(気が紛れたり、気持ちが落ち着くので)、瞑想をしたりするとよい。人間性を失ってはいけない。

ユヴァル・ノア・ハラリ
イスラエルの歴史学者

Web河出(河出書房新社のオウンドメディア)でユヴァル・ノア・ハラリ氏のFINANCIAL TIMESへの寄稿全文をぜひ読んでみてください。柴田裕之氏の翻訳です!→その1 その2

パンデミックは民主主義への挑戦であるが選択肢が多くある。
2つの重要な選択に迫られている。第1の選択は、全体主義的監視か、それとも国民の権利拡大か、というもの。第2の選択は、ナショナリズムに基づく孤立か、それともグローバルな団結か、というもの。

全体主義的監視では、たとえばハンガリーでは首相の権限が拡大(日経新聞の記事「ハンガリーの首相権限、無期限に拡大 「独裁」か」
イスラエルでもネタ二ヤフ首相が新型コロナウィルスを口実に議会を封鎖しようとした。
イスラエルではテロ防止のための世界最先端の監視システムを感染拡大防止に使えるようにしたが危険である。
感染者の携帯電話は警察に渡される。行動履歴を割り出し接触者を収容したり隔離したりする。
監視は政府と市民の双方向でするのが大切。
独裁国家では監視が政府から市民への一方通行。

たとえば「手を洗うこと」を警察官やセンサーなどのテクノロジーで監視することもできるが、きちんと教育して「手を洗うこと」が感染防止に役に立つことを市民が理解し実践することもできる。

十分な知識を持てるような教育と個人的な動機付けの方が、監視をするよりもいい。
データ(科学と研究機関)への信頼性が必要。
データや政府の決定は透明性があるべき。

市民は政治状況に目を光らせる必要がある。結末を選ぶのは私たち。
グローバルな連帯ができれば、人間は以前より団結した種となれる。

ジャック・アタリ
フランスの経済学者・思想家

ジャック・アタリ氏のHP

危機とサバイバル――21世紀を生き抜くための〈7つの原則〉という本で、破滅的なパンデミックが発生する恐れがあると2009年に警告している。

フランスは規律を守る中央集権型の国家。

2008年の金融危機より深刻。
アメリカがほとんど備え無しにこの危機を迎えている。
各国の政府がいろいろやっているが、レストラン、ホテル、航空業界など人が集まることが予想される業界では大きな打撃がある。

過去の例をみると、パンデミックの最初の波が収まったときに人は外に出て、第2波で感染した。

最悪のシナリオは世界的な恐慌、失業、インフレ、長期不況が、そうなるとは思わない。
ハンガリーなどの政府がしたようにパンデミックは独裁主義へ利用される。

強い政府と民主主義は両立する(第2次世界大戦下のイギリスのように)。

他の国に依存しすぎないのは大切。
もっとバランスのとれた連帯が必要。
パンデミックという危機に直面した今、利他主義という理想への転換が人類のサバイバルの鍵。

「生命万歳!」「ポジティブに考えて生きよう」

今後は、ポジティブ経済(長期的な視野に立ち「命の産業」(食料、医療、教育、文化、デジタルなどの産業)に集中する)に向かう。

利他主義は合理的自己中心的、つまり利他的であることは自分のためになる。

人類は未来について考える力が弱く、すぐ忘れてしまう。

次世代の利益となるよう行動をするのが大切。

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著者。特許翻訳者。ユダヤ人富豪の義父に学び、自らも7億円の不動産資産を築いた不動産投資家という顔も持つ。 東京都出身。外資系メーカー、シティバンク勤務を経て、イスラエル国籍のユダヤ人と結婚。子ども二人に恵まれるも離婚。在宅で翻訳の仕事をフリーランスとしてしながら、シングルマザーとして子ども達を育てた。東欧からの移民の子で、14歳から働き、資産ゼロから財産を築いたユダヤ人の義父からは不動産投資を学び、投資物件(7億円)などの資産を築いた。著書に『ユダヤ人と結婚して20年後にわかった金銀銅の法則50』『ユダヤ人大富豪に学ぶ お金持ちの習慣』『貧困OLから資産6億をつかんだ金持ち母さんの方法』『お金の不安から自由になって幸せな女になる』がある。