こんにちは! 星野陽子です(自己紹介)。
2016年に「物書きになりたい」という夢を叶えた暮らしのジャーナリストの高橋洋子さんにインタビューしたものを再編しました。
夢を叶えるためのヒントが満載のお話でしたので、ライターや著者になりたいという人だけでなく
夢を叶えたいと思う人にも聞いていただきたいです!
高橋洋子さん
住宅ジャーナリスト・ファイナンシャルプランナー
価値0円と査定された空き家をリノベーションし、
安くマイホームを購入した経験から、
おトクなマネー情報の研究に目覚め、
ファイナンシャルプランナーの資格を取得。
住宅・マネー関連の原稿執筆などを行っている。
ご著書
『家を買う前に考えたい! リノベーション』(すばる舎)
『100万円からの空き家投資術』(WAVE出版)
『3万円からの民泊投資術』(WAVE出版)
『最新保険業界の動向とカラクリがよ~くわかる本』(秀和システム)
目次
フリーライターになった経緯と仕事を得た方法
フリーライターにどうやってなったのかおしえてください。
私は中学生の頃から物書きになりたかったので、
大学は文学部へ通って勉強したのですが
「小説はなかなかむずかしい。取材して書く方が性に合っている」
と思うようになりました。
2年間会社に勤めた後、今から12年前に「名刺一枚作ればライターになれる」と思いフリーライターになりました。
最初はどうやってお仕事をいただいたのですか?
宣伝会議の編集・ライター養成講座に通って営業方法をおそわったので、直接、雑誌の編集部に「新人のライターですがお手伝いできることはないでしょうか?」と電話をかけたりしました。またホームページを作って「ご用命をうけます」と書いたり、ライターサイトに登録したりしました。時間があったのでなんでもしたという感じです。
するとライターを探しているところから連絡があり、お仕事をいただけるようになりました。
誰でもできるような求人サイトの記事(1時間取材して1、2時間で原稿を書いて、報酬は1つ1万5千円ぐらい)の仕事から始めました。
ステップアップした方法
順調に仕事が入ったのですね。
ええ。有名な女性誌でもページを任されるようになり、記事にクレジット(文:高橋洋子 構成:高橋洋子など)が出ると、その記事を持ってさらなる営業をしたりしました。
がんばっていると別の編集者さんを紹介してもらったりすることもありました。TVの制作会社のライター募集で「はなまるマーケット」のコマーシャルを書くライターの仕事をしたこともあります。募集があれば応募していて、返事が来なくても落ち込まないほどでした。逆に仕事の依頼が多すぎたりしたときには、仕事を求めているライター仲間にふったりしました。
高橋さんのバッグの中の仕事道具
仕事が多すぎるってすごい!
はい。でも、いつまでも「誰でもできる仕事」をやっていたのでは体力勝負になり、若い人に負けてしまいます。ですので、プラスアルファの価値をつけて、ライターからジャーナリストにステップアップし、自分の名前で指名がくるようにがんばり、12年やって自分しか書けないものを書けるようになりました。
出版するためにやったこと
本を出したいと思っていたそうですね。
ええ。でも、私は本を出したいのに自分のテーマがないとずっと思っていました。転機がやってきたのは2010年。家の購入です。私もフリーですが、夫もフリーの映像演出家で、お互いに収入が不安定ということもあり、都内に家を持つのは無理だと思っていました。けれども、中野区に築37年の屋根が吹き飛んでいるような空き家を買って、リノベーションをして、素敵な住まいを手に入れることができたのです! 相場の3分の2で家を持てました。中古住宅を買ってリノベーションをしたら、予算内で自分の好みの家ができる。そのことを多くの人に伝えたい! これだったら本を書ける!と思いました。
ところが、お金の落とし穴があったのです。中古住宅には住宅ローンが組みにくいなど知らなかったことがありましたし、使える控除や助成金があったのに知らなくて使わなかったのが悔やまれます。お金の勉強をしないと損だと思ってFPの勉強を始めました。
そしてついに出版されました!
はい。でも出版するのに苦労したんです。
やっと見つけた自分が書けるテーマで企画書を出したのですが、箸にも棒にも掛からず……。そこでリノベーションや「お得な家の買い方」などのセミナー(1回20名)を2年ぐらいかけて100回以上やり、その実績で企画書の信頼度を上げました。
セミナーをするたびに「火災保険は?」「地震保険は?」などの質問をされ答えられないことがありました。
問題が起こったときもありましたが、悩むよりは、「どうしてクレームが起こったか」「どうして怒らせてしまったのか」と原因を突き詰めました。そうすると、「悩むほどではない」「そもそもその人は自分の想定していたお客さんではなかった」「私ではどうにもならないクレームだった」という答えが見つかりました。
自分の知識が足りなかったのであれば、増やすことによって問題は解決できます。答えられないときには専門家に聞いて知識を増やしました。質問に答えられないという怖さはありましたが、「あなたの話を聞けてよかった」という喜んでくれる声が多かったので、それに応えたいと思い、回数を重ねることができました。
その後、11社に企画書を送ったところ2社からお返事があり、そのうちの1社から商業出版をすることになったのです。
出版してから開けてきた道
最初の本を出したのは2014年です。自分はマイホームを欲しい人に伝えていたつもりなのに、リノベーションの問題を抱える大家さんとか投資家さんがセミナーにいらっしゃるようになり、そういうニーズがあることに気づきました。セミナーを通じて大家さんや投資家さんとのネットワークが自然と広がり、興味の対象が投資用物件のリノベーションや古い家の活用方法に変わりました。
また空き家に関する法律が変わったため、空き家へのメディアの注目が高まり、私も時流に乗れました。「空き家投資がおもしろい!」と出版社に持ち掛け、2冊目の本『100万円からの空き家投資術』(2015年12月)を出版しました。
仕事をする上で大切にしていること
たくさん努力されてますが、きちんと実を結ばれているのが素晴らしいですね。なにか大切にされていることってあるのでしょうか。
目の前の仕事をひとつひとつがんばること。営業は必要ではなく、目先の原稿で勝負だ、ということです。書籍のいいところは、何度も読んでもらえ、ある程度のボリュームがあるので世界観が出せ、自分が思っている以上に読者が読み込んでくれたりするところでしょうか。地方での講演に来てくれた人が、「家を壊そうと思ったけれども、あなたの本を読んでリノベーションをしました。それがとてもよかった!」と手紙をくださいました。
仕事とプライベートのバランスはどんな感じですか?
夫と一緒に仕事をしているせいもあって、仕事とプライベートとの境がなくなっています。家事は気づいた方がやります。自分にとって役に立つ話を聞くのが最高の娯楽で、投資なんですよ。地方の取材であれば旅行気分も味わえる。今は自分のやりたいことをして、こんなに楽しい仕事はないと思っていますが、この楽しいレベルになるまで12年かかりました。
趣味は仕事とリンクしています。本を読んだり、旅行したり、おいしいものを食べたり、人と話したりが好きなんです。
フリーライターのお金事情
お金のことを聞いてもいいですか?
はい! 私は「物書きになりたい」と夢を持ち、会社員時代に約200万円を貯めて、フリーライターになりました。最初は出費の方が多かったのですが、1本1万円などの雑誌の仕事をやって実績を積み、まとまってできる単価の高い仕事にシフトしていきました。
フリーになって一年で会社員時代のお給料と同じぐらい稼げるようになったのです。月に120万円も稼いだこともありましたよ。
「ライターは食えない」と言われたりしますが、本当にそうかな?と思います。一生懸命やれば食べられます。どこまでやる気があるかどうかにかかっています。
仕事が絶えないライターになるにはどうしたらいいですか?
高い専門性や、得意分野を持っていると強いです。
ライターにプラスアルファの肩書があると収入も上がると思います。
フリーだと収入が安定しないという不安を力に変えて、良い原稿を仕上げます。一人暮らしで自分が怠けたら家賃を払えないというライターさんの方がいい原稿を書くと思いますよ。
今も原稿を一生懸命書いて収入を得ていますが、本の印税も入ってきています。
稼げるヒントがたくさんありました。高橋洋子さん、貴重なお話、ありがとうございました!