フリーランスの時間術

フリーランスは自由で自分の裁量が大きいのがメリット

私にとってのフリーランスのメリットは、自由、そして自分の裁量が大きいことです。働き方ですが、私はお金と経験が欲しかったので「オーバーワークで最大限働く」ことにしましたが、「場所は自宅で、仕事の時間は子どもが寝ている間だけ」とか、「会社帰りの一時間だけカフェで」とか、「週末だけ」などと決めることができます。

私がフリーで翻訳の仕事を始めたときは、赤ちゃんと幼児を抱えていました。上の子は保育園に行っていましたが、私の多くの時間は子どもたちのために使われました。一秒でも多く仕事のために時間が欲しいと思っていた私にとって、自宅で仕事ができるのは本当にありがたいことでした。通勤時間が不要になるからです。また出かけるとなると、メイクアップなど準備の時間が必要ですが、それも不要です(とはいえ、朝は着替えをして、どんなに忙しくても最低限の身だしなみは整えました。知人の翻訳者のように「いつでもスウェットスーツを着ている」という生活になると、後戻りができそうになくて怖いからです。)

朝早くに目が覚めて、子どもたちが起きていなければ、パジャマのまま準備時間ゼロで仕事に取り掛かりました。子どもたちを起こす時間になれば、仕事をやめて、着替えて家事をしながら子どもたちとの時間に集中しました。たくさん話をしながら朝食をとり、上の子を保育園に連れていく準備をして、保育園に連れていくと、下の子をおんぶしながら翻訳の仕事をしたり、あるいは文献を持って公園に行ったり、買い物をしたりしました。赤ちゃんのうちは、寝ている時間もあるので、そのときは集中して翻訳の仕事をしました。

私の場合は、パソコンに向かって目を酷使して長時間働いていると、集中力が切れますし、疲れてきますし、健康のためによくないので、家事をしながらというのがちょうどいい感じです。今はランチをしに外出したり、平日は遊びに出かけたり、月に一度は旅行したりと、良いペースで仕事をしていますが、子どもたちが小さい頃に年商2千万円を翻訳の仕事で稼いでいたときは、仕事ばかりしていて、いつも睡眠不足でした。

住む場所も自由

買い物や行楽地には、土日の混んでいるときに行かずに、平日の空いているときに行くことができます。子どもたちが小さいときは、仕事を休んで、数か月とか数週間、海外で過ごしたりしました。海外に行く日までに納品しようと思うのですが、間に合わず、パソコンを持って海外から納品したりしました。長くお休みをすると、帰国してから仕事がくるのかいつも心配になりましたが、帰国日に合わせてファクスで仕事の依頼が入りました。本当にありがたいことでした。本の出版のときには、イスラエルのテルアビブのホテルで校正をしたり、スカイプで編集者さんと話をしたりしました。業種によっては仕事をしながら旅行をする「ワーケーション」も可能です。

ネットがあれば仕事ができるという人は、地方でも海外でも住む場所を自由に選べます。ノマド・ライフや多拠点居住が可能です。そのような働き方をする人たちの誘致に熱心な町もあります。私もこの夏、大好きな軽井沢で数週間過ごそうかと考えています。今後は執筆をメインにしたいので、場所を変えることによって、想像性豊かになれるかどうか試してみるつもりです。しかしながら二拠点居住をした知り合いの人たちには「やめたほうがいい!」と言われています。忙しいときには移動が大変に感じるとか、何かをしようとすると「道具がもう一つの方にある」と気づいてできないというようなことがストレスになる、光熱費が二か所分かかる、という理由でした。たしかに道具が必要な仕事を二拠点でするとなると、「あ! 向こうに置いてきた!」みたいなことになりそうですが。

誰にとっても時間は一番大切な資源

よく言われていることですが、時間はすべての人に平等に一日24時間あります。この一番大切な時間という資源をどう使うかによって、人生の質が変わってきます。

「緊急ではないが重要なもの」に時間を使う

忙しい日々を送っていても、時間を「緊急ではないが重要なもの」という第2領域(『7つの習慣』スティーブン・R・コヴィー著)に使うように心がけたいものです。「緊急ではないが重要なもの」というのは、人間関係づくり、健康維持、準備や計画、勉強や自己啓発、品質の改善などで、自分のしあわせと稼ぎ続けるために、とても重要なことです。私はどんなに忙しくても、子どもたちとの時間を持ち、たとえ短くても質の良いものにするように努力しました。家族旅行は毎年何回か計画して必ずしました。

フリーランスは、自ら学び続けることが大切です。会社に入っていれば新しい技術やサービスの研修がありますが、フリーランスは自分で学ばなくてはなりません。私の場合は、書籍を読んだり、新しい技術の文献を読んだり、各種のセミナーに行ったり、実際の業務を通じて新しい訳し方を知ったり、同業者との集まりを自ら開催して情報交換をしたりしました。また、より報酬の高い仕事の獲得のために調べたり、翻訳者として登録するためのトライアル(試験)を受けたりしました。さらには、お金についての勉強にも重きを置きました。今振り返ってみると、第2領域に時間を使ったことが、現在の経済的な安定につながっているかと思います。

無理をしているときの時間の使い方

私はシングルマザーで二人の子どもたちを育てながら、在宅で翻訳の仕事をしていましたが、大量の仕事を引き受けたときなどは、どう考えても時間が足りないという事態になってしまいました。仕事の量をコントロールすればよかったのですが、自分たちの生活費と子どもたちへの教育費は十分に確保したかったので、とにかく稼ぎたかったのです。そこで一秒でも長く有効的に仕事に時間を使えるように次のようなことをしました。

- 仕事は何でもいいので一刻も早く取りかかる

- 集中を要する仕事にはまとまった時間を確保する

- 自分が集中できる時間を探す

- 自分が集中できる食事の方法を探す(お昼はあまり食べないなど)

- 気が散らない環境を作る

- 集中モード(ゾーン)への入り方を研究する

- ツールや速度の速いパソコンを使う

- モノを探す時間を減らすためにモノは定位置に置く(家族が自分でも探せるようにする)

- 時間を買う(家事サービスを使う、特急電車やタクシーに乗るなど)

- 料理に工夫をする(包丁を研いで切るスピードを上げる。野菜とお肉を煮込んで、そこから肉じゃが、カレー、シチューなどに展開する。カレーの翌日はカレーうどんにするなど工夫する)

- 子育ては自分一人で抱えない。保育園の先生たち、子どもの友達の親たち、家族がチームとなって子育てをするようにする

- 家事の時間を短くする家電製品の購入

- 重要な2割しかしない

実家の母が子どもたちの面倒を喜んでみてくれたのは、私にとってだけでなく、母や子どもたちにとってもよいことでした。また保育園の園長先生が「みんなでチームとなってお子さんを育てましょう」と言ってくださったので、一人でがんばらなくてもいいのだと感じ、とても精神的にラクになりました。掃除は誰がやっても同じだと考え、家事サービスの人にお任せしました。母がお料理をしてくれたりしましたが、料理だけはどんなに忙しくても、なるべく自分で作るようにしました。「おふくろの味」は自分にしか出せないものだと思ったからです。成人した息子たちに彼らが好きだった唐揚げなどの料理を作って出した時に
「あ~、この味!」
と言ってたくさん食べてくれたのはとても嬉しく思いました。

実際は「あ~、この味! この物足りない味!」と言ったのですが……。塩分控えめにしていたのですが、物足りない味と思っていたということがわかり、ややショックでした(笑)。

「それまでやっていたことのうち重要な2割しかしない」ことに関しては、大きな声でお勧めできることではないのですが、優先順位をつけて厳選したことしかしないと、大量に引き受けた仕事をこなすことができなかったのです。ご迷惑をかけた方々には心からお詫び申し上げたいです……。やることを厳選するためには、自分がなにを大切に思っているのか、あらためて認識します。朝起きると、何が重要かをしっかり考えて、やるべきことだけに集中しました。たとえば、仕事の締め切りが近いのに仕事が終わっていないときには、仕事と子どもたちのことだけと決めて、他のことはしませんでした。それほど緊急で重要なメールでなければ後回しにしました。子どもたちが小さかったときは、翻訳の仕事ばかりしていたので、その時代に流行った曲やテレビのドラマなどはほとんど知りません。リーマンショックの時には、周りの翻訳者で仕事がなくなったと大騒ぎして連絡してきた人たちがいて、初めてフリーランスの人たちは大変なことになっているのだと気がついたほどです。

外注する、宅配サービスを使う、アプリを使い倒す

私はやっていないのですが、うまく外注を使っている人たちがいます。簡単な作業を安価でやってくれる人たちをネットで探して依頼することで、自分の作業時間を減らすことができます。最近はネットを使うと時間を節約できるサービスがたくさんあって、本当に良い世の中になっていると感心します。私がよく使っているのはネットスーパーです。振込みや税金の支払もネットでできます。
様々なツールを使うと、経費をあまりかけずに業務を行うことができます。最近使っていて便利だと思うのは、会議や打ち合わせなどはZOOM、ファイル共有はChatworkなどです。

ABOUTこの記事をかいた人

著者。特許翻訳者。ユダヤ人富豪の義父に学び、自らも7億円の不動産資産を築いた不動産投資家という顔も持つ。 東京都出身。外資系メーカー、シティバンク勤務を経て、イスラエル国籍のユダヤ人と結婚。子ども二人に恵まれるも離婚。在宅で翻訳の仕事をフリーランスとしてしながら、シングルマザーとして子ども達を育てた。東欧からの移民の子で、14歳から働き、資産ゼロから財産を築いたユダヤ人の義父からは不動産投資を学び、投資物件(7億円)などの資産を築いた。著書に『ユダヤ人と結婚して20年後にわかった金銀銅の法則50』『ユダヤ人大富豪に学ぶ お金持ちの習慣』『貧困OLから資産6億をつかんだ金持ち母さんの方法』『お金の不安から自由になって幸せな女になる』がある。オンラインサロン「マネサロ」主宰 http://yymsalon.jp/wp/