こんにちは! 星野陽子です(自己紹介)。
日本語から英語への特許翻訳を在宅で20年超しています。今は翻訳の仕事をあまり熱心にしているわけではないのですが、シングルマザーでお金が必要!と考えていたときには、年商2千万円を続けていました(10年以上)。
今は正直に言って翻訳は将来性のない仕事だと考えています。しかしながら、まったく需要がなくなるということもないかと思います。特許翻訳を仕事にしたい方はしっかりと調べることをお勧めいたします。
私は短大の英文科を卒業していますが、帰国子女でもなく、留学経験もなく、在宅で翻訳の仕事を始めた頃は英検準一級レベルでした(今はレベルはもっと上かと思います)。
私がやってきたことでよかったと思う勉強方法を書きます。
1 英文を300から500暗記する
この本でなくてもいいと思います。目的としては基礎となる英文の構造や英文法が入った文を覚えることにより、英語で自分の言いたいことを書くときには、単語を入れ替えるだけという状態にすることです。
日本人に陥りがちなのですが、英検1級とかTOEIC満点とか、あるいは学者レベルでないとお金をもらえないと考えることはよくないと思います。もちろんきちんとした英文を書けることが望ましいのですが、教養のあるネイティブスピーカーも知らないレベルの英文法などを知らなくてはならないと思い込むのは少し違います。
2 英語で書かれた本や新聞や雑誌を読んで、ボキャブラリーと英語圏の知識を増やす
私は会社員の頃、アルクという会社のヒアリングマラソン ビジネス
やタイムマラソン(今はないのかな?)を通勤の電車の中でやっていました。その頃はわからないことばかりで、一生英語をモノにできないかもと悲観しつつ……。
3 本で勉強する
3C(正確・明確・簡潔)特許翻訳者の中山裕木子さん著の『外国出願のための特許翻訳 英文作成教本』
これは本当にお勧め! たくさんの英訳の例文や細かい解説が書かれています。特許翻訳の実務において、他の英文ライティングと違うところ(たとえばクレームにおける冠詞や数など)やクレームの訳し方など絶対に押さえておきたいことが理解できます。
4 翻訳の通信教育や翻訳学校で勉強する
特許翻訳の通信教育はある弁理士さんがやっていたものやDHCがやっていたものを受けました。またバベル、知財、東レなどスクールにもたくさん行きました。ただし、課題だけをやっていては量が圧倒的に足りません。
5 量をこなす
私は運がよく翻訳文の訳抜けをチェックするというパートの仕事を得ることができたので、訳抜けのチェックをするときに、訳文を覚えるようにしました。翻訳者の技を盗むというような気持ちでした。翻訳チェッカーの仕事を正社員として、(在宅)アルバイトとして、派遣社員として得ることができたら、割と近道なのではないかと思います。
私は駆け出しの頃は、時間があれば米国特許明細書(当時はタイトルからファクスで明細書を取り寄せました。一件3千円ぐらいかかりました)を読んで、使えそうな表現をピックアップして用語集や文例集を作りました。今は日本語と英文での明細書を簡単にネットで見つけることができますので、訳したいと思う分野の対訳表を作ってみましょう。
6 生きた英語を学ぶ
英語のネイティブスピーカーが読んだときに「自然な英語」と思ってもらえるように、生きた英語も学ぶようにしました。日英の翻訳をするのであれば成果物(英語)はネイティブスピーカーあるいは英語を理解する外国人が読みます。その読み手に私は指名されたため、単価の高い仕事が絶えることがなかったのでした。
具体的には、通じる英語を話せるようになりたいと思い、FENを聞いたり、アメリカの映画を観たり、英会話学校に行ったり、道で困っている外国人に”May I help you?”と話しかけたりしました。日英の翻訳の場合は、最終的に読む外国の人に気にいられると、指名されるようになります。英文法が正しくても「意味がわからない」と思われる英語を書く日本人は少なくないと聞きます。やはり通じる英語を書けるようにならなくてはならないと思います。
今はインターネットで知識人のすばらしい話が無料で聞くことができます。たとえばTEDでは大学教授など知的な人たちの話を英語で聞くことができます。
「日英翻訳は無理」と思いこまないことが大切です。ブログでお答えできるようなご質問がありましたら、「お問い合わせ」からお送りくださいね。
ご興味がありましたら、「特許翻訳の仕事を獲得した方法」という記事もお読みください。