こんにちは! 星野陽子です(自己紹介)。日本語から英語への特許翻訳をしています。
今回は数字や数量の日本語から英語への訳し方について書きます。
数字や数量の間違いは技術翻訳では致命的
特許翻訳で大切なことはたくさんありますが、中でも基本的な大切なこととして「訳ぬけがない」ことと「数字や数量を間違えない」ということに私は気を使っていて、数字に関しては翻訳文をチェックした後に、数字だけもう一度確認するほどです。
数字や数量のライティング・ルールを理解する
技術に関する原稿には数字や数量などの表現が含まれていることが多く、普通の和英辞典に出ていない表現や、英語の数字や数量のライティング・ルールを調べるのに私は『英語数量表現辞典』を使っていました。
たとえば、英語のライティング・ルールで、1~9までの一桁はone, two, threeなどとつづり字で表記(spelling)。二桁は、10 digitsなど数字で表記します。
しかしながら文頭の数値は二桁でもつづり字で表記します。
(誤)45 students are in our class.
(正) Forty-five students are in our class.
このような基数詞に関することは14ページにわたって書いてあります。その他、序数詞、比較、倍率、分数、比、単位などあらゆる表現が書いてあるので、特に駆け出しの頃はよく使っていました。
ただこの辞典はもう新しく発行されていないようですので、最近の類似の辞典をご紹介しておきます。
実際の数字の翻訳で困ったこと
何度か経験したことですが、原稿の中で「Xは10以上」と「Xは10以下」と書かれていることがありました(数字は一例)。本当は原稿を書いた人に確かめたいところですが、翻訳会社に登録している私が翻訳会社に「聞いてもらうことはできますか?」と質問すると、たいていの場合は「ご自分で判断して、コメントをつけてください」と言われます。
ですので、たとえば「Xは10以上」を”X is 10 or more”、”X is 10 or greater”、 “X is equal to or larger than 10″などと10を含む英語の表現で訳し、「Xは10以下」を「Xは10未満」と考えることとし、”X is less than 10″や”X is smaller than 10″など10を含まない英語の表現で訳しました。
そしてコメントを「「Xは10以上」を10を含む英語の表現で訳し、「Xは10以下」を「Xは10未満」として訳しました」のように付けました。
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